始めたりやめたりを繰り返しながら、親指シフトを5年以上も続けてきました。タイピングスピードもかなり向上したので、苦手な文字が続かなければローマ字入力と同じ速さで親指シフトを使えるようになりました。
しかし、もう親指シフトをやめることに決めました。完全に親指シフトを断念します!
なぜなら親指シフトを続けるメリットよりも、明らかに親指シフトを続けるデメリットの方が上回るように感じるからです。
(ちなみに、私の親指シフトの環境はHHKBのUSキーボードです。)
親指シフトのデメリットばかりを書き連ねる記事になりますので、親指シフト愛好家の方はここでページを閉じてくださいませ。
親指シフトを完全にやめることにした理由
では以下に親指シフトを『完全』にやめることにした理由について書いていきます。
入力速度は音声入力+ChatGPTの校正が速い
入力速度を求めるのであれば『音声入力』+『ChatGPTの校正』を選ぶべきです。
私が親指シフトを続けていた主な理由は、高速かつ疲れづらいタイピングを求めていたからです。
ある一定の時代では確かに親指シフトには意味がありましたが、それはもう過去のことだと思います。なぜなら、音声入力が非常に進化しており、確実にタイピングより速いからです。
もちろん音声入力も完璧ではないため誤入力や誤字が発生することがありますが、これは手入力でも同じです。そのためどちらも「校正」は必要になってきます。
校正ってめんどくさいですよね。このめんどくさい作業が、なんとChatGPTのようなAIを活用すれば非常に簡単にできちゃうわけです。テクノロジーってすごい!
入力速度を求めるのであれば、もはや親指シフトではなく、「音声入力+ChatGPT」が断然速く、疲れません。
また親指シフトはこれ以上進化することはないでしょうが、音声入力の精度とChatGPTの精度はこれからも進化を続けるはずです。ですから早いこと音声入力とChatGPTなどなどのAIツールに乗り換えておく方が吉なのです。
現代で使われる言葉にそこまで速くない親指シフト
横文字が広く使用される現代において、親指シフトはそこまでタイピング速度が向上するわけではないと感じました。
「1970年代の辞書に収録されていた日本語だけ」の場合、日本語入力に適した親指シフトは有用だと思います。しかし、現代では横文字が広く使用されており、親指シフトの優位性はあまり感じません。
たとえば「iPhone」という単語を考えてみましょう。ローマ字入力では「a i p h o n e」と7回のタイピングが必要ですが、親指シフトでは「あ い ふ ぉ ん」と5回で済むので、確かに親指シフトの方がタイピング回数は少ないです。でもね、親指シフトですと「ぉ」のキー配置が問題になってきます。
親指シフトは「日本語をタイピングするための最適なキー配置」になっていますが、英語圏から取り入れた単語には適していないことが多々あります。具体的には、「ぁ」「ぇ」「っ」「ぅ」「ぉ」「ぴ」などは小指でタイピングしなくてはなりません。言うまでもなく小指を動かしまくるのって難しいじゃないですか。ローマ字入力だと「a」と「Enter」が主ですけど、親指シフトだとそうではありません😭
「こんぴゅーたー」とか「ふぁいる」とか「ふぇいすぶっく」とか「うぉーれん・ばふぇっと」とか「ぴえん」とかとか、横文字が多く使用される現代において、親指シフトの配置が最適かどうかは微妙なところです。
英語入力は遅くなる
英語を入力する時ってありますよね。iPhoneだったり、パスワード入力だったり。
ローマ字入力であれば、キー配列のまま入力すれば英語入力できます。あたりまでのことですが、「A=あ」ですからね。
対して親指シフトは違います。例を挙げると「A=う」なのです。
ですから親指シフトに慣れてくると、英語入力するときに若干のもたつきを感じます。「あれ?」ってなっちゃうんですよね。
英語入力の時は、親指シフト脳からローマ字入力脳に切り替えなければなりません。そして英語を打ち終えたら、またローマ字入力脳から親指シフト脳に戻さなくてはなりません。やっぱりここでタイピングスピードは遅くなります。
入力を切り替えるたびに、頭のリソースを持ってかれる感じがあるんですよね。ここが地味に疲れるポイントな気がしています。
親指シフトの大元の富士通がキーボードの販売を終了
親指シフトはその入力の独自さから、親指シフト専用のキーボードが欲しくなるわけです。
でも、専用のキーボードの販売が2021年5月で終了しました。親指シフトの大元の富士通が親指シフト専用のキーボードを販売することをやめたのです!
士通では、「1980年5月の日本語ワードプロセッサ『OASYS100』の発表以来、親指シフトキーボードおよび日本語ワープロ・入力ソフト製品を提供してきたが、JIS配列キーボードがデファクトスタンダードとなり、親指シフトの機能優位性を十分に訴求できない状況が続いていた。これまで事業継続のため、業務効率化や商品の価格アップなどの施策を講じてきたが、このたびやむなく、親指シフト関連商品の販売・サポートの終了を決定した」としている。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1310461.html
親指シフトの未来を決定づける出来事っすな。
親指シフト環境を維持するのが大変になってくる
親指シフトは、MacやWindowsに標準で搭載されている入力機能ではありません。
ですから親指シフト専用のアプリをインストールしなければなりません。Windowsはユーザー数が多いのでアプリもいろいろとあったりしますが、Macで親指シフト(しかもUS配列)をしたがる人なんて少ないですから、専用アプリをMacにインストールして設定するのなかなか大変だったりします。
んで、親指シフトアプリが今後も開発され続けるかと言いますと…
大元の富士通さんが親指シフトキーボードの開発をやめたんですよ。ってことはこれからさらに親指シフト人口が増えるとは考えづらいです。
となると親指シフトユーザーは減り続けますから、MacやWindowsの親指シフトアプリを作る人も減っていきます。
アプリの開発をする人が減っていくということは、OSのアップデートのたびにアプリの不具合の不安が出てきますし、ゆくゆくはサポートされなくなる未来が容易に想像がつきます。
もうね、親指シフトを使い続けるための環境を維持するのが大変になってくるんですわ。
いままででもmacOSのアップデートでLacailleというアプリが使えなくなり、Karabiner Elementsというアプリに切り替えたことがあります。今まで使っていたアプリを別のアプリに切り替えるって想像以上に疲れるんですよね。
US配列キーボードを使っている人は親指シフトは不向き
私、US配列のキーボードを使っております。
US配列の方がJIS配列よりタイピングしやすいということで、JIS配列からUS配列に切り替えました。
で、そのあとに親指シフトのことを知りました。
HHKBのUS配列を使っている人間でも、Karabiner Elementsアプリを使えば親指シフトができます。
でもね、実際はめちゃくちゃ打ちづらいんですよね。
私と同じようにHHKBのUS配列でKarabiner Elementsを使っている人は、スペースキーの左右にあるcommandキーを使っていると思うのですが、誤入力が頻繁に起こることありませんか?
command+wで、ウィンドウを閉じちゃったりね…
JIS配列を使っている方ならまだしも、US配列を使っているMacユーザーはとっとと親指シフトをやめるべきだと思います。
親指シフトに凝ると、好きなキーボードもうまく使えなくなっちゃうんすな。
分離型キーボードを考えるもやっぱり設定が大変になりそう
最近は分離型キーボードが流行っています。
US配列ユーザーでも分離型キーボードを使えば、親指シフトで快適入力生活が始まりそうな気がします。
でもやっぱり環境を整えることを考えると大変そうなオーラがあります。
まだまだ分離型キーボードユーザーは少ないですし、そもそもUS配列ユーザーも少ないです。となってくると、分離型キーボードで親指シフト環境を整えようと思っても情報が少なすぎるんですわ。アプリの設定のどこかでつまづきそうな予感しかしません。時間を無駄にしそうな気しかしません。
というわけで、私はUS配列で親指シフトをしたいがために分離型キーボードを考えましたが、やっぱり諦めました。
iPadのキーボード入力ができなくなる
iPadには親指シフトのアプリがありません。(surfaceなどの他のタブレットは知らない)
だからiPadではローマ字入力するしかありません。
Macでは親指シフト、iPadではローマ字入力…
そんなに器用に脳を切り替えられません。
親指シフトに凝っちゃうと、iPadでのキーボード入力が困ってきたりもします。
指はしゃべらなかった
親指シフトの謳い文句と言いますか、「指がしゃべるようにキーボードを打てる」みたいなフレーズがあるじゃないですか。
あれ、たぶん、嘘です。
私は指がしゃべるようになりませんでした。親指シフトを極めたら話は別なのでしょうけど、たぶん『極める』という意味ではローマ字入力でも極めたら喋り出すんだと思います。
実際、タイピング選手権なんかでもローマ字入力の人がいっぱいですし。(というか、親指シフトの人いるのかな?)
やっぱりローマ字入力は使い勝手がよい
親指シフトのデメリットをつらつらと書いてきました。
親指シフトは確かに日本語を打つのに適しています。打ちやすいです。
でもその反面、いろんなところに制約がかかってくるんですね…
というわけで、親指シフトを完全にやめることにして、ローマ字入力に戻ってきました。
親指シフト歴もある程度長くなっていたったので、昔のようにローマ字入力をスラスラと入力できなくなっていたりもするんですが、やっぱりローマ字入力っていいですわ。
MacでもiPadでも同じキーボードで同じ入力が使える
Macでは親指シフト、iPadではローマ字入力。
そんなに綺麗に使い分けることなどできません。
統一した方が脳に負担をかけません。
親指シフトをやめてローマ字入力にしたことで、MacでもiPadでも脳にストレスなくキーボード入力できるようになりました。
好きなキーボードを使える
親指シフトを諦めることで、「キーボード縛り」みたいなものが無くなります。好きなキーボードを使えます。
JIS配列でも、US配列でも、分離型キーボードでも「お好きなものをどうぞ」ってね。
ほんと楽です。
親指シフトにこだわっていた時は、「MacのUS配列ユーザーに、もっと適したキーボードがあるはずだ!」と思って探していたりしましたからね。いやはや、時間の無駄っすな。
OSのアップデートにビビらなくていい
OSのアップデートのたびに、「これ、アップデートしたら親指シフトアプリが動かなくなるんじゃね?」という恐怖がありました。
親指シフトを諦めることで、この恐怖も無用になります。
ローマ字入力はやっぱり便利っすわ。
おわりに
以上、親指シフトを完全にやめたという記事でした。
いまから親指シフトを始めようかと思っている人、悪いことは言わないからやめた方がいいですよっと。
いつ使えなくなるか分かりませんからね。
それに今の時代は音声入力が凄まじいので、入力スピードを求めるなら音声入力に慣れておくほうがいいです。(親指シフトと違って、音声入力の精度はさらに上がっていくでしょうし)
参考までに。それでは!
追記:それでもまだ親指シフトを使いたいUSキーユーザーに朗報はHHKB Studio
追記です。
HHKB Studioが発売されました。キーが3つほど増えております。そしてなおかつキーマップ変更ツールが使えまして、自由にキーを変えることができます。
つまりHHKBのUS配列を使いたいし、親指シフトもしたいという人に朗報なキーボードかもしれません。>HHKB StudioをiPad用に購入したら癖は強いが良かった
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